TBSドラマ。日曜9時。
TBSの日曜劇場の時間。「ニチク」枠。

ATARUこと「あたる」は中居君演じる、たぶんサバン症候群の青年チョコザイ。

そのサバン的能力はたぶん犯罪に出くわした時に脳がミッションとして作動しその時に見た映像のすべてを脳裏に焼き付けその原因と不自然な部分を直感的に読み取る能力。
さらにどこかで特別な訓練ないし教育を受けたか、独自で資料を読みふけったかで得た知識がその事件時の映像とリンクし事件解決の鍵となっていく。

そして、ATARUがたまたまか意図してか意識してか出会った栗原千秋演じる美人(だけど変わり者三枚目)刑事蛯名舞子にそのヒントをどんどんしゃべっていくことでそれをヒントと信じた舞子が事件を解決していく、というもの。。。。

サバン症候群をテーマにコメディタッチで刑事ドラマを見るのは初めて。

サバン症候群の有名な映画ではダスティン・ホフマンとトム・ルーズが演じた「レインマン」。
ダスティン演じる男性はマッチ箱から落ちた大漁のマッチの数を一瞬にして当てたというシーンが印象的。

マイナーだけれどもヒットした脱出映画「キューブ」。
ナタリー監督のデビュー作。大好きな映画。
ここに出てくる発達障害の青年は電卓なしで3つある三ケタの数字の素数の数を一瞬にして計算出来る頭脳だった。
この映画はトラップだらけの部屋がつまったキューブ(四角い建物)内に理由も解らずに突然閉じ込められた数学の秀才の大学生㊛と刑事㊚と脱獄の天才㊚と医者㊛とその建物のの外壁開発者㊚そしてサバン症候群の自閉症の青年が脱出しようと四苦八苦する話。脱出に何も役に立たずそれどころか一番足手まといと思われた知的障害の青年が、数あるトラップの部屋に隠された素数の数がトラップの無い部屋を見分ける答えと判明した時から何よりも貴重な存在となり、最終的には彼しか脱出出来なかったという結末。

これはナタリー監督でない監督の続編がいくつか出ていて、この映画の前作として作った「キューブゼロ」ではキューブを管理するよう雇われていた青年がキューブ内の女性を救おうと脱出に成功するも捕まって薬を打たれて障害者になってキューブに送りこまれた。という筋書きだった。
それがキューブでサバンの青年として描かれているという繋がりになるらしい。

ナタリー監督ではない脚本なので「キューブ」の謎の答えではないのだろうが、こういった考えもあるな的な話しになっている。

ところで、これらを演じる3人のサバン症候群の青年の発達障害では必ず手を眼の上にあげて指をパラパラと動かす癖がある。この癖はある種の発達障害の人がよく行う癖。体を前後に揺らしたり同じ言葉を何回も繰り返す。いったいどんな世界が見えているのでしょうか。

さて、話は随分それたのですが、このATARUのドラマ、毎週楽しみにしたいドラマとなりました。
それは、発達障害のあるATARUのしぐさや言動がキュートでかわいいのと蛯名舞子がかなりの三枚目ということと、個人的に北村一輝さんという俳優が好きなのとATARUが海外ドラマ「シンクロナイズドスイミング刑事」というありえないような変なドラマにはまっているというシュチエーションなどのコメディタッチの楽しくも細かい演出が気に入ったところですかね。

踊る大捜査線「豪華弁当の上司達」と貧相な現場の「キムチカップラーン」、HEROでもありましたかね。「キムタクの海外通販オタク」。
ドラマの本筋とは一見関係ない個々の個性的な癖。これがドラマを奥深くし楽しくさせる。

でもやはり「サバン」に焦点を当てたところが近年になかったものなのですごく興味深い。
世の中には色々な人がいる。このドラマを見たことで、どんな強い個性をも受け入れられる広い心を皆が得とくしてくれるといいなと感る。